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「塩パン」で世界の朝食を変える

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2026.06.01

「塩パン」で世界の朝食を変える

 【社長インタビュー】新商品にかける想い

クロワッサンに代わる「新しい主役」を作れないか----。
そんな問いから始まった新商品「塩パン」の開発プロジェクト。
代表取締役社長の田中に新商品にかける想いを聞きました。

代表取締役社長:田中知

▲代表取締役社長:田中知


海外で賞賛される「日本のパン」特有の食感

 

ー新商品「塩パン」。その背景には海外展開での気づきがあったそうですね。

 

田中:海外販路開拓のため、シンガポールやドバイ、ロンドンなどを回る中で、「日本のパン」を強く意識するようになりました。 私は元々パン職人として15年間「本場フランスのパンづくり」を追い求めてきた人間です。フランスのパンこそが本物で、日本の柔らかいパンや菓子パンは、西洋の真似事、つまり「亜流」だというコンプレックスがずっとありました。

しかし、インバウンド需要が高まる中で、その価値観が覆されました。 海外の方々が、日本のパン特有の「皮は薄くてパリッとして、中はもっちり柔らかい」食感を「Amazing(素晴らしい)」「信じられない」と賞賛する姿に何度も立ち会いました。

私が亜流だと思っていたものが、実は世界に誇れるオリジナルな「ジャパンクオリティ」でした。それに気づいたとき、フランス文化を一生懸命追いかけるのではなく、『日本独自のパン文化を、新たな世界のスタンダードとして確立させること。』その確信が、私の揺るぎない使命に変わりました。

 

ー 逆に日本のパンこそがオリジナルな価値を持っていると。

 

田中:そうです。ただ、ホテルの朝食会場を見ると、やはり主役はフランス文化の「クロワッサン」なんですよね。 もちろんクロワッサンも素晴らしいですが、私たちが群馬県桐生市で誇りを持って作る「日本のパン」の象徴として、もっと分かりやすい商品が必要だと考えました。 その答えが、日本独自の食感がすべて詰まっている「塩パン」です。

 

「塩パン」には日本のパン文化が詰まっている

 

ー 日本のパンといっても種類は豊富ですが、なぜその中で「塩パン」を選んだのでしょうか?

 

田中: 「これが日本のパンですよ」と世界に差し出す名刺代わりの商品として、塩パンほど分かりやすいものはないからです。 皮のパリッとした食感、中身のもっちり感、そして上質な国産バターの旨味、キレのある国産塩。日本のパンの良さが全て詰まっています。

 

もちろん、海外のアジア圏にも日系のパン屋さんはあり、塩パンも売られています。しかし、あくまで「数あるパンの一つ」という扱いで、ブランド化や定義づけがされていません。だからこそ、私たちが「これが日本の朝食パンだ」と定義することに勝機があると考えました。


あえて非効率な「手作業」を選択。こだわり続ける品質への追求

製造風景

 

ー 業務用として塩パンを作るには、製造上の難しさもあったと聞きました。

 

田中: 過去に大手メーカーさんが塩パンの量産化に挑戦し、失敗した歴史があります。今の工場のライン生産では、本物の塩パンは作れません。 機械で作ろうとすると、バターを包みきれずに生地から漏れ出してしまったり、塩パンの特徴である「中の空洞」ができなかったりして。結局は、生地にバターを織り込んだ「クロワッサンと塩パンのあいのこ」のようなものになってしまう。

 

ー それで、あえて非効率な「手作業」を選んだのですね。

 

田中:はい。「工場で作るからこの程度の仕上がりで良い」という妥協は一切したくありませんでした。 製造に手間はかかりますが、ベーカリーと同じ、いやそれ以上の品質を作らなければ、新しいスタンダードにはなり得ない。そう判断して、非効率を承知で手作業による成形を決めました。

 

こんなに面倒なことを本当にやるのか...という葛藤はもちろんありましたが、機械生産で自分たちの都合のいいように解釈をして「これが新しい塩パンですよ」みたいな形で世の中に出すことはしたくない。何十万個と生産を見込むなかでも、これまでスタイルブレッドがこだわり続けてきた品質の追求は譲れませんでしたね。


「塩パン」が朝食で選ばれる世界を目指して

 

ー この塩パンを通じて、ホテルの朝食シーンをどう変えていきたいですか?

 

田中: 目指しているのは、単なる新商品の追加ではなく、クロワッサンという朝食文化に並ぶ「独立したカテゴリー」を作ることです。 今のホテル朝食は、どうしてもクロワッサンが主役です。しかし、塩パンは食事としても成立しますし、単体で食べても美味しい。実はクロワッサン以上に朝食にベストなパンだと考えています。今回の塩パンが、世界中の朝食で選ばれる新しいスタンダードになることを目指しています。

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